自分の苦手を知る

自分の苦手を知る

人には多かれ少なかれ何かしらのコンプレックスがあると思う。もしくはコンプレックスまではいかずとも苦手なことや欠点だと自覚していることだ。きっと誰にだってある。素直で真面目な人ほど生きていく中でそれを克服しようと懸命に努力するかもしれないが時には全く改善が見られないくらいに根が深い奴があったりする。そこである時私が人生を振り返って過去のコンプレックスについて考えてみたところ「意志が弱い」ことが原因の失敗談がとても多いことに気がついた。意志が弱いとは端的に言うと一度決めたモチベーションが持続しないということだ。決めた瞬間はやる気に満ち溢れているのに時間が経過するにつれて決断したときの熱量が失せて最後には全く思い出せずに自分の中での決め事が無かったことになってしまうのだ。学生の頃は特にひどかった。具体的な話をあげればキリがないが夕食前に二度と間食しないと決めた小学生の誓いは3日で忘れたし毎朝やろうと決めたランニングは2日目の朝が寒くて二度とやらなかった。こんな細かいエピソードを無数に思い出せる。そんな性格だから学校の勉強におけるモチベーションなんて当然保てるはずも無かったのだが中1の終わりからは塾に通い始めたことがきっかけで当時の自分からすると信じられないくらい勉強することが当たり前となった。中学入学直後に140人中103位だった成績は卒業前には自然と3位まで上がっていた。今にして思えば塾の質や勉強時間の長さ等は当時の私にとってはオマケみたいなもので一番の要因は「やって当たり前」の環境に身を置けたことだと思う。つまり周囲の空気感に引っ張られたからこそ継続することができて結果につながったのだ。そして私がフリーランスの立場から会社員としてITエンジニアに転職したのもこの考えが根本にある。「コミュニティに属して周囲のやる気のある熱に触れていないと行動できない」そう強く自覚することが人生を変えたといっても過言ではない。実際に転職前後を自分の中で比較してみても今現在のほうが明らかにいろいろなことを吸収し学習できている。つまり私にとって「意志が弱い」という欠点は克服するものではなく受け入れるもので欠点を踏まえてどう行動するのが良いか考えるほうがよほど効率が良いことに気がついたのだ。少なくとも悩むのにむやみに時間を使うことはなくなった。今ではこの考えは私の行動指針の1つになっている。なにか自分の欠点を自覚したとき克服する努力は確かに素晴らしいが一旦受け入れてみて別の考えを模索するということを選択肢の1つとして持っておきたい。これはきっと自分の可能性を広げる大きなヒントになると思う。