メディアリテラシー

メディアリテラシー

今、日本人に必要なメディアリテラシーについて

コロナ禍の中で行きかうデマ情報。今回はデマ情報に踊らされないように、比較的信頼性の高い情報を選ぶための「メディアリテラシー」、「クリティカルシンキング」について書きたいと思います。まずはこれらの言葉の意味について、Oxford Referenceで見てみましょう。メディアリテラシー…1.様々なメディアの形態に関する知識、理解、経験のこと。いくつかの定義において、このコンセプトは識字や数学の基礎知識を含む。2.様々なメディアを利用し、それらについて批判的に考える能力のこと。3.メディアデバイスを利用する能力のレベルのこと。クリティカルシンキング(批判的思考)…1.判断を行うための、問題に対する客観的な分析と評価のこと。 両方に、「批判的」という言葉が出てきましたね。日本語で批判的というと、少しネガティブな響きがあるかも知れませんが、要は、この情報で溢れていて、しかもインターネットやSNSで誰でも発信者になれるこの時代、情報を初見で鵜呑みにするのではなく、「これ、本当なのかな?」と一旦立ち止まり、「何を信じていいかわからない」となるのでもなく、自分で、その情報は信頼するに足るのか、そしてそうでないのならば、現時点で最も信頼するに足る情報はどれなのか、を判断する、という事ですね(^^)その為に行える事を、今回は4つ書きたいと思います。 ①発信元と情報源を確認する②別の情報源から同じ情報が発信されているかを確認する③メディアの信頼性を知る④反対となる情報も調べる①発信元と情報源を確認するインターネットがまだなかった時代、情報を発信するものは主にTVと新聞といったメディアだったと思います。それらすべてが信頼するに足るかはともかく、限定されていた事は確かです。それがインターネット、更にはSNSが普及した今、誰でも情報発信者になれるようになりました。これはもちろん、大きなチャンスでもある一方、インターネットで活字で書かれているものを見て、それが、信頼性の高いメディアによって書かれているのか、信頼性の高い学者などによって書かれているのか、一般の人によって書かれているのか、これらの違いを気にせず、全部ごちゃまぜにしてしまう人がいます。特に一般の人が書いている場合は、その記載内容についての情報源のリンクは付けられているかどうか、付けられている場合でも、そのリンク先に書いている情報をねじ曲げた形で書いていないかも自分で確認し、判断するといいと思います(^^)僕も自分が話す情報については、いつ頃、どの情報源が、どのような形で出していたか、はできるだけ覚えるように心がけています。②別の情報源から同じ情報が発信されているかを確認する1つの情報源から発信されている情報が、別の情報源からも発信されているかも確認しましょう。別の情報源が同じ情報を発信していれば、その情報の信頼性は増すと言えます。 ③メディアの信頼性を知る「①発信元と情報源を確認する」にも共通することですが、情報源は数だけでなく、質も重要です。そういえば以前、ある情報をSNSで発信している人がいて、僕はその情報に疑問を感じたので、その人が付けていたリンク先を確認すると、2ちゃんねるだった事があります。2ちゃんねるに書かれている事が絶対ウソ、というでは無いですが、リンクをつける参照先としては…。他に例えばWikipediaなども参照先としては信頼性が高いとは言えない、とされていますね。比較的信頼性が高いと言われているのはどのメディアなのか、自分が見つけたその情報に対して、比較的信頼性の高いメディアはどのように発信しているのかを知ることはとても重要です。できればスポンサーなどによってのかたよりが少なく、独立性が高いメディアの方が良いかと。僕はイギリスの『ガーディアン』と『インディペンデント』をよく引用します。これらの新聞社は比較的独立性/信頼性が高いと言われており、『ガーディアン』は気候変動について自由に報道する為、化石燃料企業からの広告を一切禁止し、読者からの寄付を募っている新聞社です(だからと言って、100%信頼できる!となってしまうのも良くないです)。あと、情報の質という意味では、メディアの発信だけでなく、学術機関や科学者たちの発表なども確認するとなお良いです(メディアが引用をつけている場合も多いです)。僕は科学誌だと、イギリスの『ネイチャー』とアメリカの『サイエンス』をよく確認するようにしています。また、気候変動については、国連のIPCCの報告書には目を通すようにしています。④反対となる情報も調べるGoogleなどの検索エンジンを使ったことの無い人は、あまりいないのではないでしょうか?とても便利なものですが、気をつけないといけない事があります。それは、検索の結果出てくる情報は、自分が入れた検索ワードに依存する、という事です。例えば、〇〇が食べものだとして、「〇〇 体に良い」と検索すると、それが体に良い理由が並び、「〇〇 体に悪い」と検索すると、それが体に悪い理由が並びます。自分が見たいものを見ているだけ、になる場合があるんですね。それを避けるためにも、その情報の反対となる情報も調べましょう。そしてそれらの結果出てきた情報、その情報源の数、質などを確認した上で、どちらがより信頼に足るか、や、対となる情報の妥協点はどこか、などを人で判断します。4つの紹介は以上となります。時間との兼ね合いもありますし、今回紹介したこれら全部を一気に行う事は難しいかも知れませんが、少しずつ意識していくだけでもだいぶ違うと思います。そしてこれは本当にできればですが、やはり英語を学んで、英語の情報を取っていくとより良いかと思います。日本語の情報がウソだと言う話ではなく、英語の方が、情報量も、それを書いている人たちの多様さも、デマ情報だった場合により多い読み手によってそれが淘汰される事も、各段に増えます。この記事であげた事など、行える事を行った上で、最後は人に依存せず、自分で判断しましょう。