井の中の蛙大海を知る

井の中の蛙大海を知る

「井の中の蛙大海を知らず」このことわざには続きがあることをご存知ですか?(※諸説あり)今回は、このことわざにこれまで私が歩んできた人生を重ねてお話したいと思います。私は、生まれも育ちも山形県で、高校卒業まで「ど」が付くほどの田舎の町で過ごしました。実家は絵に描いたような田舎の家で、昔から代々米農家をしています。子どものときの私の価値観や基準と言えば、両親や家族、学校の先生、地域の方々です。そんな子どもながらに、ドラマで見る東京やディズニーチャンネルで見る海外など、外の世界に小さくも悶々とした憧れを抱いていました。そうした考えをずっと持っていたので、「高校を卒業したら山形を出て上京しよう、外の世界に出てみよう」と、漠然と思っていました。だけど、やっぱり両親は小さな田舎町で育った娘が親元を離れて生活するのが心配だったようで・・・特に父からは「箱入り娘」のように甘やかされていたので(笑)、両親を説得して上京する、というのが外の世界へ出る第一関門でした。なんとか第一関門を突破して大学進学とともに上京したあとも、漠然と海外へ行きたいという想いを持ったまま、なかなか行動できませんでした。単純に大学で募集していた留学プログラムの費用が高額だったのもありますし、経験したことのない新たな挑戦に踏み出すのが怖かったからかもしれません。しかし、大学1年生の春休み、ついに初めて海外へ飛び立ちました。きっかけは、大学の授業で国際協力を学び、実際に自分の目で現状を確かめたいと思ったことでした。「途上国でボランティア活動をしよう」そう心に決めました。それからの私は、抱いた好奇心からどんどん行動していました。海外でボランティアをした経験のある先輩(面識はなかったです(笑))に相談したり、自ら現地のNGO団体の代表の方にコンタクトを取りに行ったり、初めて自分で飛行機のチケットを取ったり(それまで飛行機にも乗った経験がありませんでした)・・・今までしてこなかったようなことを次々にやっていたのです。そして、フィリピンのセブ島でボランティア活動と少しだけ語学留学を経験しました。何より一番の挑戦は、「自腹で行く」ということでした。両親に頼ってでしか何もできなかった私でしたが、「自分が何かしたいと思ったときにすぐ行動を起こせるように」と、バイト代を毎月コツコツ貯めていたおかげで、目的を実現させることができました。上京し、海外へも飛び出してみたことで、「大海」のすごさを実感しました。他にも留学含め多数の国に訪れたり、人との出会いがまた新たな出会いを生んで繋がったり、行動しなければ見えなかったであろう景色をたくさん見てきました。と同時に、実際に飛び出してみたからこそ、案外自分でも戦える土俵があるなとも思えました。帰国してからは就職活動が始まりました。私の軸としては、「大海」を見たその経験を活かしたいという気持ちでした。ただ、就職活動を始めた際に私の今までの取り組みや原点などを質問されることが多くありました。その際に、外の華やかな景色も自分の刺激としては良いが、私の人格や考え方を形成しているのは、家族や地元などいわゆる「井戸」の中でした。そんなときにふとあのことわざを調べると、井の中の蛙には続きの言葉があることを知りました。「井の中の蛙大海を知らず、されど空の蒼さを知る」それは選択範囲が少ないからこそ、突き詰めて考えることができるというポジティブな意味でした。その意味を知ったとき、井戸の中にいたからこそ、空の蒼さを知ることができたし、私は一度大海に出たからこそ、井戸の中の良さや井戸からの見る景色の良さに気付くことができました。今の私は井戸も大海も知っているカエルですが、今後はこんなカエルになっていきたいです。・空をも飛べてしまうカエル・いつでも大海と井戸を行き来できるカエル・困っている仲間のカエルがいつでも海に出られるように道を作るカエルそのためにはもっと大きな海を探して挑戦し続けます。井戸を出て海に行っても、またその海の中に井戸があり、新たな海を目指す。そして、また井戸に出会う。この繰り返しが実は人生そのものだったり。人生繰り返す、繰りカエルの続きですねm('〜')mゲコ(早く梅雨が明けますように・・・☔)