「ヒジャブと女性とスポーツ」

「ヒジャブと女性とスポーツ」

「最近運動してないな。ジムにでも通おうかな。あ、でもここ女性専用ジムじゃないや・・・」みなさんは、日本国内のジムでムスリム女性を見かけたことがありますか?ムスリム女性と言えば、多くの人が頭に布を巻いています。そのスカーフを「ヒジャブ」と呼びます。「男性を誘惑しない」という理由から、魅力的とされる髪の毛や体の一部を隠すため、日常的にヒジャブをつけています。そしてそれは、アッラーの教えとしてムスリム教の聖書「クルーアン」に記されています。彼女らは宗教上の理由からヒジャブを巻いているのです。それは運動する時も同様です。ジムに男性がいれば、彼女らはヒジャブをつけて運動をしなければなりません。しかし、ヒジャブは運動に適しているのでしょうか?日本では、運動する時に髪の毛を結びます。それは髪の毛が散らかって鬱陶しいからです。同じように、運動中にヒジャブが顔の周りでひらひらと舞うのはとても鬱陶しいことなのです。ただ鬱陶しいだけではありません。ヒジャブを巻いて運動するのは大変暑苦しいものです。マスク 1 枚で顔の温度が急上昇するように、ヒジャブをつけることで体温が上がります。では、ヒジャブを巻く必要がない女性専用ジムを探そうということになりますが、どこにでも女性専用ジムがあるわけではありません。家から遠いと、ジムに行くことを諦める女性もたくさんいるでしょう。そんな問題を解決したいと立ち上がったのが、イギリスの大学で服装を学ぶナディラ・アニサさんです。アニサさん自身ムスリムであることから、これを長い間、問題視してきました。実はすでに、ナイキが「スポーツヒジャブ」を開発しています。色は真っ黒でスピードスケートのユニフォームのようにぴったりとしています。しかし、これはあくまでもスポーツ選手用であり、「一般的にジムにつけていくには抵抗がある」とアニサさんは話します。そこで彼女が開発を進めるが、デザイン性もありながら実用的なスポーツヒジャブです。「機能性を考慮しなければ、いくらでもかわいいものは作れる。だけど、吸水性、伸縮性、通気性などを考慮すると生地が限られ、デザインの幅が狭くなってしまう」と頭を悩ませます。アニサさんは四苦八苦しながらも、ムスリム女性に対して働きかけることにやりがいを感じ、日々開発に励んでいます。将来は、ニカブ(目以外すべてを覆う衣服)を着る女性のために「スポーツニカブ」の開発にも取り組んでいきたいと意気込みました。日本ではまだヒジャブを巻いている女性を見かけることが多くありません。しかし、東京オリンピックを控え、同時に技能実習生の受け入れを積極的に行っている日本にとって、「ヒジャブと女とスポーツ」の問題は例外ではないのです。